バターコーヒーの材料とされているMCTオイルって、いったい何なのだろうと思っている方は多いのではないでしょうか。MCTオイルって、ちょっと聞きなれない名前ですよね。
MCTオイルは、近年その有効性から注目を浴びているオイルです。このページでは、
- MCTオイルとは何なのか
- どのような効果効能があるのか
- なぜダイエットに効果的なのか
などの疑問を含め、MCTオイルについて詳しくまとめています。
MCTオイルを説明するために、まずは油脂とは何かについて簡単に説明しています。専門用語が出てきますが、ざっくりと読み進めてください。
関連MCTオイルの選び方のポイントと、こだわり別おすすめのMCTオイル
そもそも油脂とは何か?油脂の構成について
MCTオイルは油です。正確には、「食用油脂」。
MCTオイルについての理解を深めるために、そもそも「油脂」とはどういう物質なのかを簡単に説明します。
油脂(ゆし)とは脂肪酸とグリセリンとのエステルで普通はトリグリセリド(トリ-O-アシルグリセリン)の形態を取るもの。
参照元:Wikipedia
エステルだの、トリグリセリドだのわかりにくい言葉が連発ですが、簡単にいうと、
油脂=グリセリン+3つの脂肪酸
脂肪酸にはいくつもの種類があり、その組み合わせが多彩なため、様々な油が存在する、ということになります
脂肪酸の分類について
脂肪酸の種類は沢山あり、その分類法もいくつかあります。
- 炭素分子の数による分類
- 飽和度による分類
- 幾何異性体による分類
またも専門用語連発でよくわかりませんが、MCTオイルとは何か、を理解する場合に使うのは炭素分子の数による分類です。
MCTオイルとは?
MCTオイルの、「MCT」って何なのかというと、「Medium Chain Triglyceride」の各単語の頭文字をとった略語です。
これを単純に日本語に訳すと、
- Medium:中間
- Chain:鎖
- Triglyceride:トリグリセリド、つまり油脂
中程度の鎖状の油脂、というところでしょうか。
中程度、油脂、というのは分かるとして、「鎖状の」は何を示すかというと、脂肪酸の炭素の連なり部分を指します。
つまりMCTオイルとは、
中程度の炭素のつながりを持つ油脂で構成されているオイルが「中鎖脂肪酸油」、MCTオイルということです。
脂肪酸は炭素分子の数による分類において
- 短鎖脂肪酸:炭素数4以下
- 中鎖脂肪酸:炭素数6~12程度
- 長鎖脂肪酸:炭素数14以上
の3つに分けられます。
脂肪酸の炭素数は一般的には偶数です。
中鎖脂肪酸の炭素数については諸説あり、炭素数6は短鎖脂肪酸とする説や、炭素数12は長鎖脂肪酸に分類する説もありますが、バターコーヒー、バターコーヒーダイエットとの関係で考えた場合には
- 炭素数8:カプリル酸
- 炭素数10:カプリン酸
この2つの脂肪酸が重要になってきます。
ちなみに、カプリル酸、カプリン酸はともに「飽和度による分類」では「飽和脂肪酸」にあたります。
MCTオイルに含まれるのは、100%飽和脂肪酸です。
飽和脂肪酸のすべてが体に悪い、というわけではないのです
MCTオイルの特徴
中鎖脂肪酸からなるMCTオイルには様々な効能が確認されています。
- ダイエット効果
- 認知症予防
- 殺菌作用
このうち、バターコーヒーに入れる際のMCTオイルで期待されているのは主にダイエット効果です。
オリーブオイルや菜種油など、一般的な食用油はほとんど長鎖脂肪酸でできています。
中鎖脂肪酸からなるMCTオイルは、長鎖脂肪酸とは消化吸収の経路が異なり、素早く分解されてエネルギーとして使われるという特徴があります。
そのため、体内に脂肪として蓄積されにくいといわれています。
MCTオイルの原材料
ダイエット効果の高い中鎖脂肪酸は2種類。カプリル酸とカプリン酸です
カプリル酸とカプリン酸が、天然では何に含有されているかというと
- 牛乳(バター)
- 母乳
- ココナッツ(ヤシ油・ココナッツオイル)
- アブラヤシ(パーム油) など
このうち、一番含有量が多いのがココナッツです。
MCTオイルは、ココナッツオイル、パーム油のものがほとんどです。
MCTオイルの安全性について
MCTオイルとは中鎖脂肪酸100%の食用油です。
中鎖脂肪酸は人間の母親の母乳にも含まれています。生まれたばかりの赤ちゃんの栄養素として一番優れているといわれる母乳にも含まれている成分でできている以上、安全な食品であるといえます。
バターコーヒーが、授乳中のママでも飲める理由の1つです。
ただ、MCTオイルも、油であることには変わりがありません。1gで9kcalです。
MCTオイルはダイエットに有効できますが、いくら摂取しても太らないというわけではありません。摂りすぎれば当然ながら太ります!ご注意ください。
MCTオイルの使用上の注意
MCTオイルは、一般的な食用油とは違う特徴があるため、いくつかの注意点があります。
生食向き、加熱しない
MCTオイルは発煙点が低く、140度くらいのようです。そのため、加熱には向かない食用油です。
100パーセント中鎖脂肪酸からなるトリアシルグリセロール(MCT)をフライに用いると、発煙温度が低いため、「発煙」を起こしてしまいます。また、MCTと一般の食用油を混合して用いると「泡立ち」やすく、吹きこぼれ等の原因になります。
引用元:日清オイリオHP
MCTオイルは過熱調理には使わず、コーヒーに入れる、サラダにかける、など生で食べることがおすすめです
摂りすぎると胃痛や胸焼け、腹痛の原因になる場合がある
MCTオイルはどうやら刺激が強いらしく、人によっては胃痛や胸焼け、腹痛の原因になります。
まずは少量から始めて、体に合うかどうかを見極めることをおすすめします。
私の場合は、サラダなどにかける、牛乳を入れたコーヒーに混ぜた場合は問題ありませんが、空腹時にブラックコーヒーにMCTを入れて飲むとかなり強めの胃痛が出ます。
カップ麺等の容器(スチレン系樹脂)に入れない
MCTオイルをカップ麺などに使われている発泡スチロールやABS樹脂、プラスチック容器等(スチレン系樹脂)に入れると樹脂が解けることがあるとのことです。
この特徴のため、MCTオイルはガラス瓶で販売されています。
小さな容器に移し替えて使いたい、持ち歩きたいという場合は、ガラス製の容器を使ってください。
MCTオイルのおすすめの使い方
MCTオイルは過熱に向かないオイルです。
MCTオイルのおすすめの使い方
- コーヒーに入れる(バターコーヒー)
- サラダやマリネなどに使う(直接かける・ドレッシングにする)
- スムージーやスープに入れる
140度をこえる高熱でなければ大丈夫なので、コーヒーや温かいスープに入れても問題ないです。
MCTオイルの最大の特徴、素早く消化吸収されてエネルギー源となる、ということを考えると、パンなどの糖質につけて食べるというのは、もったいないのでおすすめしません。
不味いわけではないのですが、糖質であるパンと一緒に摂ってしまうと、MCTオイルをエネルギー源とすることで糖質を制限できる、というMCTオイルの特徴が生かされません
MCTオイルの使い道についてさらに詳しくは「MCTオイルの使い道|バターコーヒー以外にもいろいろあります」をぜひご覧下さい。
MCTオイルについて まとめ
バターコーヒーの重要な材料であるMCTオイルについて、その分子構成からおすすめの使い方までざっくりとまとめてみました。
- MCTオイルとは中鎖脂肪酸100%からなる食用油脂
- 中鎖脂肪酸は人の母乳にも含まれる安全な物質
- ダイエット効果をはじめ、健康に良いいくつかの特徴がある
- 原材料はほとんどココナッツオイル・パーム油
- 刺激が強いので、体に合うかどうかは慎重に判断
- 加熱、プラスチックや樹脂系容器はNG
- オススメの食べ方はコーヒーやスープに入れる、サラダにかけるなど
調べれば調べるほど、MCTオイル、中鎖脂肪酸の効能が健康に良いことが分かってきました。
胃腸への負担に注意しながら、バターコーヒーやサラダにかけるなどして積極的に生活に取り入れていきます。
MCTオイルの選び方のポイントやおすすめのMCTオイルについては「MCTオイルの選び方のポイントと、こだわり別おすすめのMCTオイル」にまとめましたので、ぜひご覧下さい。
それでは
バターコーヒーを自宅で作る場合の、最低限必要な材料や道具については以下のページで詳しくまとめています